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持丸先生にインタビュー!

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持丸先生に歯列矯正治療についておうかがいしました

持丸みずき先生

持丸先生
  • プロフィール
  • 医)博結会 理事長、歯科医師。

    インビザライン矯正では米国アライン社よりダイヤモンドプロバイダーを受賞。国内女性歯科医師最多クラスの症例数を誇る、矯正治療、審美治療のスペシャリスト。

    Best of Miss 埼玉、ミスユニバース ビューティーキャンプ講師を務めるなど、美しい女性育成のための社会活動、医療監修など、多方面で活躍中。

先生のご経歴を教えてください。

昭和大学歯学部卒業後、インプラント専門歯科医院での勤務、都内クリニックでの院長を経て当院を開院しました。

歯列矯正治療のタイミングについて

Q:今回は歯列矯正についてお聞きしたいと思います。歯列矯正は何歳ごろから始めるのが理想でしょうか?

前の4本程度、永久歯が生えている小学校2〜3年生ぐらいがおすすめです。

最近は親御さんの関心が高く、1〜2歳ごろから来院される場合もありますが、口の状況は変わっていくので早いほどいいわけではありません。

ただ、受け口など気になる兆候が出てきたら、3歳から5歳ぐらいをメドに相談いただいた方がいいですね。

永久歯が生え揃う前に始める歯列矯正は一期治療と呼ばれます。

顎の骨の成長に合わせた矯正が可能なので負担が少なく、1年ほどで治療を終えることが可能です。

成長して多少歯並びが崩れてきても、二期治療ではより軽い治療で済むことが多くなります。

Q:中高年から矯正を始められる方もいらっしゃいますか?

当院では幅広い年代の患者さんがいらっしゃいますが、中には70代から始められた方もいます。

歯肉の状況によっては難しいケースもありますが、高齢の方でも矯正治療は可能です。

歯並びを改善することで虫歯や歯周病のリスクを抑え、歯を健康に長持ちさせることができますので、「年をとっているから無駄」ということはまったくありません。

Q:虫歯がある・被せ物が多いなどでも、歯列矯正治療を受けることはできますか?

矯正治療をおこなう前に、虫歯の処置や歯周病の治療をおこないます。そのぶん、矯正治療の開始は遅れてしまいますが、治療自体には問題ありません。

ですが、矯正は歯を白くする治療ではないので、被せ物が多い方はセラミック矯正のほうが向いているケースもあります。

セラミック矯正は、歯を削って被せ物を付けることで、歯並びを改善する方法です。

健康な歯を削ることになるので、推奨はできません。

しかし、すでに被せ物をされていて矯正後に白くすることを要望されるなら、費用という点から判断した場合、おすすめできることもあります。

歯列矯正治療でマウスピースを使用するメリット

Q:インビザライン(マウスピース矯正)のメリットは何ですか?

一番の魅力は、外見への影響が少ない点です。

矯正はしたいけれど装置が目立つので避けていたという方は少なくありません。

ワイヤーと比べてマウスピースは一見すると矯正をしているとわからないので、希望される方が多いです。

目立たない点以外にも痛みが少ない、歯磨きがしやすいなどメリットがあります。

ワイヤーと比べて突発的なトラブルもほぼないので、治療におけるスケジュール管理がしやすい点も魅力だと思います。

マウスピース矯正の中でインビザラインが特におすすめである理由は、症例数の多さです。

インビザラインは膨大なデータを元に、歯がどう動いていくか予測し、マウスピースを作成します。

データ量が多いほど予測精度が高くなるので、症例数の多さは重要です。

素材や形状が優れているので、装着時の違和感が少ない点も、着用時のストレスを軽減してくれます。

Q:マウスピースより裏側矯正のワイヤー装着の方が目立たないのではないでしょうか?

お仕事などで、マウスピースすら付けられない方は裏側矯正を選ばれます。外見にまったく影響しないのでメリットは大きいです。しかし裏側矯正のデメリットとしては、舌に装置があたるため、痛みやしゃべりにくさが挙げられます。

また、ワイヤー矯正は治療中のお手入れも難しく、裏側矯正ではさらに難易度が上がります。先生の腕も必要になりますね。

費用に関しても、インビザラインの場合だと、おおよそ80〜100万円ぐらいが相場ですが、裏側矯正の場合はさらに高額になることがほとんどです。

治療期間も延びがちなので、審美面以外のメリットが少ないと言えます。

Q:矯正の際、抜歯は避けたほうがいいのでしょうか?

健康な歯を抜歯せずに治療できるならそれに越したことはありませんが、抜歯をしないために他の部分を妥協するのはおすすめできません。

矯正治療は椅子取りゲームと同じで、隙間がなければ歯は並びません。

隙間を作る方法として、歯と歯の間の部分を0.1mm〜0.5mm上限程度で削り、幅を狭めるIPRという方法や、奥歯を数ミリ奥に動かす方法、歯が並ぶ歯列弓の拡大などがあります。

インビザラインではこれらの方法を積極的に取り入れています。

ただ、効果が見られない場合や治療がシンプルとなり予後が良くなるという場合は、抜歯を選択することもあります。

歯列矯正治療を受けるクリニックの選び方

Q:患者はどのような基準で、歯列矯正治療のクリニックを選べば良いですか?

どれだけの症例数を経験しているのか確認することです。腕のある先生でも、経験がない、少ない治療法は成果を出すことは難しくなります。

症例数が多いということは、それだけ多くのパターンを見ていることになります。各治療のメリットデメリット、リスクなど把握しており、似た症例から具体的な提案を受けられる可能性が高まります。

矯正治療は、単に歯を綺麗に並べればいいわけではありません。

必要に応じて抜歯やインプラントを検討したり、被せ物を変えるなど、総合的に見て口周りの美しさ、機能を改善する方法を探る必要があります。

その点で言うと、矯正治療であっても、一般歯科やインプラントなどにも知見と経験がある先生を選ぶと安心ですね。

Q:歯列矯正治療の費用が適切なものかを判断する方法はありますか?

歯の状態はそれぞれ違いますし、目指すレベルによっても治療の難易度や手法が変わります。そのため、相場という考えがなじまない部分もあります。

一方で、金額優先で安いところを選ぶのは推奨できません。費用は技術料も反映されていますし、衛生面の維持など削減すべきではないコストがある点は理解していただきたいですね。

Q:歯列矯正治療で費用以外にも押えておきたいポイントは?

矯正は、早い人でも1年弱、長い人は2年以上かかる治療です。

月に1回は通院の必要もありますので、先生と相性がいいことは重要だと思います。

また、矯正は機能面の回復の他、「美しい歯並び」という主観的な部分が目標になるため、ゴールのすり合わせも大切です。

医師にとって「美しい状態」が、患者さんにとっても理想かというと、必ずしもそうではないためです。

治療中にも、歯に隙間ができるなどして、仮歯が必要な場合があります。

このとき、機能は問題ないけど見栄えが悪い仮歯を付ける方もいれば、少しでも自然な物を付けようとする先生もいます。

ただでさえ矯正は負担が大きい治療ですので、些細な感覚のズレもストレスや不満を大きくしてしまいます。

カウンセリングの際は希望される内容を率直に伝えて、希望に応えてくれる先生かを見極めるべきです。

Q:矯正治療が終わってもクリニックに通う必要はあるのでしょうか?

矯正が完了しても、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こります。

これを防ぐために、アフターケアとして保定装置の着用と定期検診が欠かせません。

最短でも2年、できれば一生アフターケアは必要になります。

矯正治療をすると一生のお付き合いになるわけです。

その点でも、信頼できる先生を見つけるのが一生綺麗で健康な歯を維持することに重要になります。