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結論から言えば、矯正治療後に顔立ちが変わると必ずしも断言できるわけではありません。しかし、矯正によって歯並びが整うことで口周りがすっきりとし、その結果顔立ちが変わることも多少はありますし、特にEラインを整えることで印象が良くなることはあるでしょう。
Eライン(エステティックライン)は歯科医師であるロバート・リケッツが提唱したもので、鼻先からオトガイ部(下あごの突端部)までを直線で結んだ時に、上唇と下唇がこの線上や少し内側に位置していることが美しい横顔とするものです。日本人の成人の場合は、上唇がEラインの線上かやや内側、下唇がほぼライン上にある位置が理想的とされています。
特に出っ歯や受け口の場合は、上下どちらかの顎が大きすぎたり小さすぎたりしますので、このEライン上に唇が位置していません。
Eラインが崩れる原因となる口周りの問題がある場合は、その矯正治療をすることでEラインを整えることができます。特に一般的に出っ歯と言われる上顎前突と、受け口と言われる下顎前突への矯正はEライン修正に向いています。
上の前歯が前に出ている状態です。口を閉じた状態でも口元が突出しているので、顔の下部分が大きく見えたり、人中(鼻から唇まで垂直に伸びる溝)が長くなり面長に見えることがあります。
その飛び出た前歯を矯正すると、特に上唇がEラインの線上または内側に位置できるようになりますので、すっきりした印象を抱きやすいでしょう。唇もEラインに近い位置へ収めやすくなるので、口も閉じやすく顔の下半分が小さくなったと感じる場合もあるようです。
下の前歯が前に出ている不正咬合です。しゃくれとも呼ばれます。骨格や歯の生え方にもよりますが、成長期に下顎が上顎よりも発達しすぎたことによる原因が多いようです。下顎前突は正面からも横からも下顎が長く見え、Eラインでは下唇が線の外側に出ています。
これを矯正することで下唇がEラインの内側に収まりますので、横顔がきれいに見えやすくなり、若々しい印象を持たれやすくなります。
Eラインと一言で理想を語っても、歯並びや骨格は人それぞれです。自分に合った形に矯正するには、歯並びや顎の形に適した矯正が必要ですから、矯正後の顔立ちの変化など気になる疑問は専門の医師に相談することをおすすめします。
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